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心理系大学院の研究計画書の書き方|構成・文字数・NG例まで解説

Blog心理系大学院の研究計画書の書き方|構成・文字数・NG例まで解説

2026/7/17

心理系大学院の研究計画書の書き方|構成・文字数・NG例まで解説

こんにちは。

心理系大学院受験予備校 KoKoRo UP Academy(ココロアップアカデミー)です。

「心理系大学院の研究計画書の書き方がわからない」「何をどの順番で、何文字くらい書けばいいの?」。研究計画書は多くの受験生が最初につまずくポイントです。

この記事では、心理系大学院の研究計画書の書き方を、構成の基本形・文字数の目安・よくあるNG例まで一気に解説します。秋入試・春入試に向けて準備中の大学生・社会人の方が、この記事を読み終えたその日から書き始められる内容です。

研究計画書は「面接で必ず採点される書類」──目指す水準は修士論文レベル

最初に、研究計画書の重みをお伝えします。

研究計画書は書類審査で使われるだけではありません。面接試験において、必ず採点の対象になる書類です。面接官は研究計画書を読み込んだうえで質問し、その内容と応答をあわせて評価します。

そして大切なのは、求められる水準です。研究計画書は筆記試験と違い、時間をかけて事前に準備ができます。だからこそ、「とりあえず書いた」レベルでは差がつきません。合格水準、すなわち修士論文の計画として通用するレベルまで磨き込むことが大切です。

といっても、恐れる必要はありません。評価される研究計画書には、共通する「型」があります。研究の目的・方法・意義という3つの柱を押さえれば、誰でも合格水準に近づけます。この記事でその型を身につけていきましょう。

研究計画書の役割と評価ポイント:目的・方法・意義

研究計画書とは、「大学院で自分が取り組みたい研究の設計図」です。

面接官は次の3点を中心に、あなたの研究者・実践家としての素養を見ています。

  • 目的(何を明らかにしたいか):問いが明確で、先行研究を踏まえているか。「まだわかっていないこと」を特定できているか

  • 方法(どうやって明らかにするか):目的に対して適切な研究方法か。2年間で実現可能か。倫理的配慮があるか

  • 意義(明らかにして何になるか):学術的な貢献や、臨床実践への示唆を語れているか

この3つは独立した項目ではなく、一直線につながっている必要があります。「この目的なら、この方法しかない」「この結果が出れば、この意義がある」という論理の鎖が、評価の核心です。逆に言えば、文章の美しさよりも、この一貫性のほうがはるかに重要です。

心理系大学院の研究計画書の構成:基本の7要素

大学院指定の書式がない場合、次の構成が基本形です。

指定書式がある場合も、この要素を項目に振り分ければ対応できます。

  1. 研究タイトル:研究の対象・変数・方法が伝わる具体的な題目

  2. 問題と目的(研究の背景):テーマの社会的・学術的背景と、先行研究の概観

  3. 先行研究の課題(リサーチクエスチョン):先行研究で「まだわかっていないこと」の指摘

  4. 研究の目的:本研究で明らかにしたいことを1〜2文で明確に

  5. 研究の方法:対象者、調査・実験の手続き、使用する尺度、分析方法

  6. 研究の意義:学術的貢献と、臨床・実践への示唆

  7. 引用文献:本文で引用した文献の一覧(APAスタイルなど所定の形式で)

全体の分量バランスは、「問題と目的」が約半分、「方法」が3割、残りが「意義」その他、が目安です。初学者は方法を薄く書きがちですが、方法の具体性こそ実現可能性の証明になります。

文字数の目安と書式のルール

研究計画書の文字数は、大学院により大きく異なります。

募集要項で必ず確認してください。そのうえで、一般的な傾向は次のとおりです。

  • 指定が「A4用紙1〜2枚」の場合:おおむね1,200〜2,400字程度

  • 指定が「2,000字程度」「4,000字以内」など字数の場合:指定の9割以上は埋める

  • 指定なし(自由書式)の場合:A4用紙2枚・2,000字前後を1つの目安に

文字数で意識してほしいのは、「上限まで書けばよいわけではない」ことです。

評価されるのは密度です。同じ内容の繰り返しや一般論で字数を稼ぐより、先行研究の引用と方法の具体化に字数を使いましょう。

書式面では、志望校の指定(用紙サイズ・フォント・手書きかPC作成か)に必ず従います。

引用文献の書き方は、心理学では日本心理学会やAPAの形式が標準です。細部の正確さも「研究者としての基礎訓練ができているか」のシグナルとして見られています。

研究計画書の書き方5ステップ

書き方の全体像を5つのステップで示します。

各ステップの詳しい進め方は、それぞれ個別の解説記事がありますので、あわせてお読みください。

スケジュールの目安は、Step1〜2に1〜2ヶ月、Step3〜5に1〜2ヶ月です。

出願の3〜4ヶ月前には着手できると余裕を持てます。

よくあるNG例7選と改善のポイント

ここからは、添削の現場でよく出会うNGパターンを7つ紹介します。ご自身の下書きと照らし合わせてみてください。

NG例1:テーマが大きすぎる

「うつ病について研究したい」 → これはテーマではなく関心領域です。「誰の・何と何の関連を・どんな方法で」まで絞りましょう。例えば「大学生の反すう傾向と抑うつの関連」のように具体化します。

NG例2:個人的な思いだけで先行研究がない

「私は不登校を経験したので、不登校の心理を研究したいと思う」 → 動機として経験を書くのは構いません。ただし研究の必要性は、先行研究の引用によって示すのがルールです。「〜と思う」の連続は、学術文書では説得力を持ちません。

NG例3:目的と方法がつながっていない

「親子関係が自尊感情に与える影響を明らかにするため、大学生に自尊感情尺度を実施する」 → これでは自尊感情しか測れず、親子関係との関連は検証できません。目的に登場する変数は、すべて方法の中で測定される必要があります。

NG例4:2年間で実現できない方法

「うつ病患者1,000名に10年間の追跡調査を行う」 → 修士課程は2年間です。臨床群への大規模・長期の調査は、期間・倫理・協力機関の面で現実的ではありません。学生や一般成人を対象とした、実現可能な設計に落とし込みましょう。

NG例5:意義が書かれていない(書けていない)

方法まで書いて力尽き、意義が1〜2行の一般論で終わっているパターンです。

→ 「この結果が出たら、学術的に何が新しいのか」「臨床場面でどう活かせるのか」を具体的に書きます。意義の薄さは、面接で「この研究は何の役に立つの?」と突かれる原因になります。

NG例6:感想文・自分史になっている

自身の生い立ちや心理学への憧れが分量の大半を占めるパターンです。 → 研究計画書の主役は「研究」です。自分語りは動機の1〜2文に留め、紙面は問いと方法に使いましょう。

NG例7:引用形式や用語の使い方が雑

文献の引用元が書かれていない、尺度名が不正確、といった細部の乱れです。

→ 内容以前に「基礎訓練不足」という印象を与えます。引用は所定の形式で統一し、尺度や理論の名称は原典で確認しましょう。

なお、市販の例文や他人の研究計画書の丸写しは絶対に避けてください。面接で深掘りされた瞬間に答えられなくなり、かえって不合格のリスクを高めます。

心理系大学院の研究計画書に関するよくある質問

Q1. 研究計画書はいつから書き始めればいいですか?

A. 出願の3〜4ヶ月前には着手するのが理想です。テーマ選定と先行研究の読み込みに、想像以上の時間がかかるためです。筆記試験の勉強と並行して、早めに進めましょう。

Q2. 例文をそのまま使ってもいいですか?

A. おすすめしません。研究計画書は面接で必ず質問される書類です。自分で考え抜いていない内容は、深掘りされると答えられません。例文は構成や表現の参考に留め、中身は自分の問いで作りましょう。

Q3. 書いた研究計画書どおりに、入学後も研究しないといけませんか?

A. 多くの大学院では、入学後に指導教員と相談してテーマを修正・変更できます(大学院により方針は異なります)。ただし出願時点では、「現時点の本気の計画」として完成度を高めることが求められます。

Q4. 文系出身で統計が苦手です。量的研究の計画は書けますか?

A. 書けます。出願時点で高度な統計の実力までは求められません。ただし、使う予定の分析方法(t検定、相関分析など)の意味は説明できるようにしておきましょう。面接で問われる可能性があるためです。

Q5. 志望する指導教員の専門と、自分のテーマがずれていても大丈夫ですか?

A. 大きなずれは避けたほうが無難です。研究指導は教員の専門領域に依存するためです。志望校を決める段階で、教員の研究テーマと自分の関心の重なりを確認しておきましょう。

まとめ:研究計画書は時間をかけた分だけ強くなります

心理系大学院の研究計画書は、面接で必ず採点される、合否を左右する書類です。事前に準備できるからこそ、目的・方法・意義が一本の線でつながった、修士論文レベルの計画に磨き上げましょう。まずは7要素の構成に沿って、書けるところから素案を作ってみてください。

とはいえ、「テーマがこれでいいのか自信がない」「書いたものを誰かに見てほしい」という方がほとんどのはずです。ココロアップアカデミーでは、無料個別相談を行っています。研究計画書の進め方のお悩みに、臨床心理士・公認心理師の講師がお答えします。お気軽にご相談ください。

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監修:臨床心理士・公認心理師 伊藤之彦