2024/8/31
心理学大学院受験/研究計画書完成までのプロセス〜論文の枠組みと素案づくり〜
【論文の枠組み・素案づくり】
Note記事からの続きです。
一般的な心理学の論文と異なり、大学院受験のための研究計画書ならではの特徴として、「仮説」「研究の意義」が重視されることもあります。
それらは、字数の制限によって、項目として表記せず、「問題・目的」の中に書くこともありますが、項目立てて書く場合、方法の後に記載することが一般的です。
面接試験でも質問されることがありますので、必ず検討しておきましょう。
・タイトル
本研究がどのようなものかについて明確にわかるタイトルをつけましょう。抽象的になりすぎず、内容とズレないようにするために、研究計画書を書き終えたあとでもよいでしょう。
タイトルの長さについては、学会誌の「心理臨床学研究」では35字以内、「心理学研究」では30字以内が目安となっています。
サブタイトルをつけるのではれば、研究の具体的な内容・方法を含めたほうがいいでしょう。
大学院のなかには、HPに過去の修士論文のタイトルを掲載していることもあるので、参考にしてみましょう。
・問題(目的)
問題は、あくまでも「目的」を論じるための前段です。社会問題の背景や研究の歴史から述べられていることもありますが、先行研究で明らかになったことを整理し、本研究の目的に向けて論理的に述べられているかが、評価ポイントの一つになります。
これまでの研究を整理し、その研究分野のなかで本研究は何を明らかにしようとしているのかを述べるのが、研究目的です。
目的は、できるかぎり焦点が絞られていることが望ましく、書き方の例として、「これまでの研究では、☓☓が明らかになっていない。よって、本研究では、☓☓を明らかにすることを目的とする」や「これまでの研究では、〇〇という視点は含まれておらず、よって、〇〇と☓☓の関係性について検討することを、本研究の目的とする」というようになります。
・方法
研究方法には、誰を対象にどのような方法を用いてデータを収集し処理するかを書きます。対象者の属性や人数、データの収集方法(尺度を使用するのか、インタビューを行うのか等)、テータの分析方法を述べますが、字数の制限上、使用尺度の説明(因子数、因子の説明)や分析手順(因子分析、重回帰分析など)は書くことができない場合があります。
しかし、その場合でも、面接時には質問されることがあるため、答えられるようにしておいたほうがよいでしょう。
・仮説
仮説には、本研究での結果の予測を示します。仮説は研究目的に沿ったものでなければなりません。先行研究の成果を整理しつつ、研究の仮説を論理的に妥当性があることを示します。仮説とは、予想される結果なので、使用する尺度変数などが分析することによってどのような関係になるかを具体的に記述するといいでしょう。
・研究の意義
研究の意義とは、研究で得られた結果が、臨床心理学の進展や他分野への応用、社会にどのような貢献ができるかを述べる部分です。
あくまで予想されることであるので、確定的である必要はありません。一般的に研究の目的は、個人的な興味を満たすものではなく、社会に役に立つことであるため、それを意識しているかが問われているのです。
・引用・参考文献
引用参考文献を書くかどうかは大学院によって異なります。大学院によっては、指定字数に含めることを明示しているところもあれば、800字以内の研究計画書であれば、引用参考文献を書かないことが暗黙のルールになっているところもあります。
特に指示はなく、2000字の制限の場合は、文献リストを含めての範囲と考えていいでしょう。1500字以下の場合は、文献リストを含めるのは難しいといえます(迷う場合は大学院事務局に問い合わせたほうが安心でしょう)。
ただし、文中に「〇〇(□□, 2004)と述べられている」などと書くことは必要です。
心理学の論文において、先行研究を引用する時にはルールがあります。研究計画書においても、そのルールに従う必要があります。
引用の仕方については、日本心理学会発行の「心理学研究 執筆・投稿の手引き」、もしくは日本心理臨床学会発行の「心理臨床学研究 論文執筆ガイド」を参考にしてください。
いかがだったでしょうか。
♯1〜5でシリーズで続けてきました「研究計画書の書き方」。
書くまでの準備、書いてからの修正など大変な部分はありますが、
みなさまの参考になればと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次回は、研究計画書の書いた後、面接までどのように準備するかのお話をします。
心理系大学院受験予備校 ココロアップアカデミー
講師 伊藤




