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【実践編】心理系大学院入試・直前対策!記述問題の「自己採点」で合格力を高める【模範解答&採点基準付き】

Blog【実践編】心理系大学院入試・直前対策!記述問題の「自己採点」で合格力を高める【模範解答&採点基準付き】

2025/12/27

【実践編】心理系大学院入試・直前対策!記述問題の「自己採点」で合格力を高める【模範解答&採点基準付き】

はじめに:知識を「得点」に変える最終調整

皆さん、こんにちは。心理系大学院予備校ココロアップアカデミーです。

 試験直前期、「過去問を解いてみたけれど、これで何点くらい取れているのかわからない…」という不安を感じていませんか? 心理学の専門試験、特に記述(論述)問題は、明確な正解が一つではないため、自己採点が難しい分野です。

しかし、大学院側が求めている「評価ポイント」は確実に存在します。

今回は、頻出テーマを用いた「記述問題トレーニング」を行います。

単に模範解答を読むだけでなく、「どこが評価されるのか」という採点基準を公開します。

ご自身の答案と照らし合わせ、足りない要素を見つけることで、本番で確実に得点できる力を養いましょう。

記述問題の書き方の理論編】はnoteで公開しています!!


1. 挑戦!頻出テーマの記述問題3選

まずは、今回取り上げる3つの問題をご紹介します。これらは臨床心理士資格試験や各大学院入試で繰り返し問われている、非常に重要なテーマです。

まだ解いていない方は、まずは構成(骨組み)だけでも良いので、ご自身で答えを考えてから先に進んでみてください。

【第1問:多職種連携】 臨床心理士が他職種と連携、協働する際、重要と思われる部分を2点述べよ。

【第2問:倫理・危機介入】 あなたが臨床心理士として面接中、クライエントが自殺予告を行った場合、あなたはどのように対応するかについて述べよ。

【第3問:専門性】 臨床心理士のアイデンティティについて、あなたの臨床経験に基づいて述べよ。


2. 合格答案の共通ルール:採点官はここを見ている

各問題の解説に入る前に、すべての記述問題に共通する「採点の基本軸」をお伝えします。採点官は主に以下の3つの観点で点数をつけています。

⒈論理性・構成(Structure)

  • 問いに対してズレずに答えているか?

  • 「結論→理由→まとめ」の順で整理されているか?

⒉専門的知識(Knowledge)

  • 適切な専門用語(キーワード)が使われているか?

  • 概念の理解が正確か?

⒊臨床家としての態度(Attitude)

  • クライエントの利益を最優先しているか?

  • 倫理的な配慮や、多角的な視点を持っているか?

この3つが揃って初めて「合格答案」となります。それでは、具体的な解答例と採点基準を見ていきましょう。


3. 【徹底解説】模範解答と自己採点のポイント

第1問:多職種連携・協働

出題:「臨床心理士が他職種と連携、協働する際、重要と思われる部分を2点述べよ」

1. 構成・論理性(10点)

(5点) 序論・本論・結論の構成が守られており、冒頭で「2つの点」が明確に提示されているか。

(5点) 文脈がねじれておらず、論理的に展開されているか。

2. 専門的知識・内容(30点)

(15点)第1の点:専門性の尊重と役割分担

  • 他職種の専門性を理解・尊重する姿勢が書かれているか。

  • 「生物心理社会モデル」や具体的な職種(医師、教師、SWなど)の役割の違いに触れられているか。

  • 心理職としての専門性(心理的アプローチ、見立て)をチームに提供する視点がある

(15点)第2の点:情報共有と守秘義務

  • 「守秘義務」と「情報共有」のジレンマ(葛藤)について触れているか。

  • 「集団守秘義務(チーム守秘義務)」または「インフォームド・コンセント(同意)」というキーワードを用いて説明できているか。

  • 「必要な範囲で共有する」という限定性が示されているか。

3. 臨床的態度・発展性(10点)

(5点) 連携の目的が「クライエントの利益(ウェルビーイング)」にあることが明記されているか。

(5点) 単なる情報の受け渡しではなく、チームを機能させるコーディネーターとしての視点が含まれているか。


第2問:倫理・緊急対応

出題:「面接中、クライエントが自殺予告を行った場合、あなたはどのように対応するか」

▼ 採点基準(50点満点) 緊急時の対応は、手順のミスが命に関わります。厳しくチェックしましょう。

1. 構成・論理性(10点)

(5点) 結論ファーストで、「生命の安全確保が最優先」であることが冒頭で述べられているか。

(5点) 対応のプロセス(アセスメント→介入→事後ケア)が順序立てて記述されているか。

2. 専門的知識・対応の具体性(30点)

(10点)リスクアセスメント

  • 自殺念慮の強さ、計画性、手段の有無などを具体的に聴取する姿勢があるか。

  • 受容・共感的な態度を崩さず、心理的孤立を防ぐ関わりができているか。

(15点)守秘義務の例外と具体的介入

  • 「守秘義務の例外」規定を根拠にしているか。

  • 通告・連絡の前に、可能な限り本人の同意(インフォームド・コンセント)を得ようとするプロセスが書かれているか。

  • 具体的な連携先(家族、医療、警察)が挙げられているか。

(5点)事後のケア

  • 介入後の治療関係の修復(信頼回復)について触れられているか。

  • セラピスト自身のケア(スーパーヴィジョン等)について言及があるか。

3. 臨床的態度・倫理観(10点)

(10点) 生命優先の断固たる態度と、クライエントへの誠実さ(騙し討ちをしない透明性)が両立して書かれているか。


第3問:専門性・アイデンティティ

出題:「臨床心理士のアイデンティティについて、あなたの臨床経験に基づいて述べよ」

▼ 採点基準(50点満点) 抽象的になりがちなテーマですが、専門用語を使って「心理職らしさ」を言語化できているかが鍵です。

1. 構成・論理性(10点)

(5点) 独自のアイデンティティ(定義)が明確に言語化されているか。

(5点) 具体的な業務(査定、面接、連携など)とアイデンティティがリンクして論じられているか。

2. 専門的知識・独自性の表現(30点)

(10点)他職種との対比

  • 医師(診断・治療)や教師(指導・教育)との違いを明確にし、心理職の独自性(理解、プロセス重視など)を対比できているか。

(10点)専門用語の適切な使用

  • 「ネガティブ・ケイパビリティ」「ホールディング」「無意識の意識化」「見立て(アセスメント)」などのキーワードを用い、心理職ならではの視点を説明できているか。

(10点)「わからなさ」への耐性

  • 即効性のある解決だけでなく、曖昧な状態に留まり、内的な変容を支える姿勢について触れられているか。

3. 臨床的態度・自己研鑽(10点)

(5点) クライエントの個別性や主体性を尊重する姿勢が見られるか。

(5点) 専門家として生涯学び続ける姿勢(スーパーヴィジョン、教育分析など)への言及があるか。


【模範解答】

 実際の試験(90分〜120分程度)で求められる文字数は800〜1200字程度が多いですが、今回は「学習用の模範解答」として、関連する理論や背景知識、専門用語をふんだんに盛り込み、「どこを切り取っても論述に使える」ような濃い内容で構成しています。

これらを読み込むことで、知識の定着と論理展開の引き出しを増やしてください。


テーマ①:多職種連携・協働

出題例:「臨床心理士が他職種と連携、協働する際、重要と思われる部分を2点述べよ」

【模範解答】

序論:結論・主張

 現代の心理臨床において、臨床心理士が単独でクライエントの抱える問題の全てを解決することは稀であり、医療、教育、福祉、司法、産業といった多領域の専門家との連携・協働は不可欠である。特に、「チーム医療」や「チーム学校」といった概念が浸透している今日において、心理職が他職種と連携する際に重要となる点は、「互いの専門性の理解と尊重(役割分担)」および「適切な情報共有と守秘義務のバランス」の2点であると考えられる。本論では、この2点について、心理臨床的な観点から詳述する。

本論1:互いの専門性の理解と尊重(役割分担)

 第一に、他職種の専門性を理解し、互いの役割を尊重することの重要性について述べる。  クライエントが抱える問題は、生物的、心理的、社会的要因が複雑に絡み合っていることが多く、これを理解するためには「生物心理社会モデル(Bio-Psycho-Social Model)」 の視点が欠かせない。例えば、うつ病のクライエントを支援する場合、薬物療法による生物学的アプローチは精神科医が担い、生活環境の調整や制度の活用といった社会的アプローチはソーシャルワーカーが担う。その中で臨床心理士は、心理的アプローチとして心理療法やカウンセリングを担当する。

 この際、臨床心理士が他職種の役割や視点(例えば、医師の診断基準や薬物療法の機序、教師の教育的指導の枠組みなど)を理解していない場合、支援の方針に齟齬が生じたり、クライエントを混乱させたりする恐れがある。逆に、心理職としての専門性(見立てや心理的機序の理解)を他職種にわかりやすく伝える努力を怠れば、チーム内での心理職の役割が不明確になり、連携が機能しない可能性がある。

 したがって、臨床心理士は自らの専門領域に閉じこもるのではなく、他職種の視点を学び、尊重する姿勢を持つと同時に、心理学的な知見を共通言語化してチームに還元する役割を担うべきである。これにより、各専門家がそれぞれの強みを最大限に発揮し、クライエントに対して重層的かつ包括的な支援を提供することが可能となる。

本論2:適切な情報共有と守秘義務のバランス

 第二に、適切な情報共有と守秘義務のバランスについて述べる。  連携において情報は生命線であるが、心理職には「守秘義務」が課せられており、クライエントとの信頼関係(ラポール) を維持するためには、相談内容の秘密を守ることが大前提となる。しかし、多職種連携の場面では、情報を抱え込むことがクライエントの不利益やリスク(自傷他害の危険など)につながる場合もある。

 ここで重要となるのが、「集団守秘義務(チーム守秘義務)」という概念と、「インフォームド・コンセント」の徹底である。集団守秘義務とは、学校や病院などの組織内において、支援チーム全体で秘密を共有・管理し、組織外には漏らさないという考え方である。例えばスクールカウンセリングの現場において、児童生徒の生命に関わる情報や、教育的配慮が必要な情報をスクールカウンセラーが単独で抱え込むことは不適切であり、管理職や担任と共有する必要がある。

 ただし、無制限に共有すればよいわけではない。臨床心理士は、「どの情報を」「誰に」「どの範囲まで」「何のために」共有するのかを慎重に判断しなければならない。共有する内容は、クライエントの利益に直結する必要最小限のものに留めるべきであり、可能な限りクライエント本人(場合によっては保護者)に共有の目的と範囲を説明し、同意を得ることが倫理的に求められる。このプロセスを経ることで、クライエントの権利擁護とチームによる安全な支援体制の構築を両立させることができるのである。

結論:まとめ

 以上のことから、臨床心理士が他職種と連携・協働する際には、「互いの専門性の理解と尊重」に基づいた有機的なチームワークの構築と、「情報共有と守秘義務のバランス」を考慮した倫理的な判断が不可欠であると言える。

 連携とは単なる情報の受け渡しではなく、異なる専門性を持つ支援者たちが、クライエントのウェルビーイング(Well-being) という共通の目標に向かって統合的なアプローチを行うプロセスである。臨床心理士は、心理学の専門家としてのアイデンティティを保ちつつ、チーム全体の機能不全を防ぎ、連携を促進するコーディネーターとしての視点も持つべきであると考えられる。


テーマ②:倫理・緊急対応

出題例:「あなたが臨床心理士として面接中、クライエントが自殺予告を行った場合、あなたはどのように対応するかについて述べよ」

【模範解答】

序論:結論・主張

 臨床心理士として面接中にクライエントから自殺予告を受けた場合、最優先すべき事項は「クライエントの生命の安全確保」である。通常、カウンセリング場面においては守秘義務が遵守されるべきであるが、自傷他害の恐れが明確な緊急事態においては、「守秘義務の例外」 として、生命を守るための行動が優先される。

 私は、まず冷静にリスクアセスメントを行い、クライエントの心理的孤立を防ぎながら、必要に応じて家族や医療機関、警察等の関係機関と連携し、「危機介入」 を行う。本論では、その具体的なプロセスと留意点について述べる。

本論1:リスクアセスメントと心理的支援

 まず行うべきは、自殺の切迫度や危険度を正確に評価するリスクアセスメントである。自殺予告を単なる「狂言」や「操作」と安易に断定することは極めて危険である。臨床心理士は動揺することなく、受容的かつ共感的な態度を崩さずに、クライエントの訴えを真摯に受け止める必要がある。

 具体的には、自殺念慮の強さ、頻度、具体的な計画の有無(手段、場所、時期)、手段の入手可能性、過去の自殺企図歴などを、具体的かつ直接的に聴取する。あえて「死にたい」という言葉の背後にある絶望感や苦悩に焦点を当て、その感情を言語化・共有することで、カタルシス効果や孤立感の軽減を図る。

 この際、クライエントが「誰にも言わないでほしい」と懇願する場合であっても、安易に秘密を守る約束をしてはならない。臨床心理士は、クライエントの「死にたい」という気持ちを否定せず受け止めつつも、同時に「あなたに生きていてほしい」「死なせたくない」という治療者としてのメッセージを明確に伝えることが、クライエントをつなぎとめる一助となり得る。

本論2:守秘義務の例外と具体的介入  リスクアセスメントの結果、自殺の危険性が切迫していると判断された場合、速やかに具体的行動に移る必要がある。ここでは、日本臨床心理士資格認定協会の倫理綱領や法的義務に基づき、守秘義務の解除(例外規定)を適用する。  まず、クライエントに対して「あなたの命を守るために、このことは秘密にしておくことができない。ご家族(あるいは医師、関係機関)に連絡する必要がある」と説明し、可能な限り同意(インフォームド・コンセント)を得る努力をする。本人の同意が得られない場合であっても、生命の危険が明白であれば、躊躇なく通告・連絡を行わなければならない。これは「裏切り」ではなく、専門家としての「責任ある保護行為」である。

 具体的な対応としては、家族への連絡と来談の要請、主治医がいる場合は医療機関への連絡、さらに緊急性が極めて高い場合(凶器を所持している、今すぐ実行しようとしている等)は警察や救急への通報を行う。また、可能であれば、次回の面接までの間に「自殺しない」という約束(ノー・スイサイド・コントラクト)を書面等で交わすことも、衝動的な行動を抑制する一つの技法として有効であると考えられる。ただし、これは信頼関係が基盤にあって初めて機能するものであり、契約自体が目的化しないよう留意が必要である。

本論3:事後のケアとスーパーヴィジョン  危機を脱した後も、継続的なケアが必要である。自殺予告というクライシス(危機)は、クライエントにとっても、また対応したセラピストにとっても大きな心理的負荷となる。

 セラピストは、危機介入後の面接において、クライエントが「信頼を裏切られた」と感じている可能性にも配慮し、なぜ通告という手段を取ったのか、それが「あなたを大切に思っているからこその行動」であったことを改めて伝え、治療関係(治療同盟) の修復と再構築に努める必要がある。

 また、セラピスト自身も、死の恐怖に直面したことによる逆転移や二次的トラウマを抱える可能性がある。独りで抱え込まず、速やかにスーパーヴィジョン を受けたり、同僚とのケースカンファレンスで事例を共有したりすることで、自身の客観性を取り戻し、専門家としてのメンタルヘルスを維持することが求められる。

結論:まとめ

 自殺予告への対応は、臨床心理士にとって最も緊迫し、かつ倫理的な葛藤を伴う場面の一つである。しかし、生命より優先される原則はない。

 私は、日頃から危機介入に関する知識と技術を研鑽し、いざという時に「命を守る」ための断固たる行動が取れるよう準備をしておく。同時に、その行動がクライエントとの関係性を決定的に破壊するものではなく、長期的にはクライエントの人生を支える基盤となるよう、誠実かつ透明性のある関わりを貫く姿勢を持ち続けたいと考える。


テーマ③:心理職のアイデンティティ・姿勢

出題例:「臨床心理士のアイデンティティについて、あなたの臨床経験に基づいて述べよ」

【模範解答】

序論:結論・主張

 臨床心理士のアイデンティティは、医師のように「診断し、治療する」ことや、教師のように「指導し、教育する」こととは異なり、クライエントの心のありようを「理解し、共にある」という独自の専門性にあると考えられる。  それは、目に見えない「心」や「無意識」、あるいは「関係性」という曖昧な領域に留まり続け、クライエントが自らの力で変容していくプロセスを支える「器」としての役割とも言える。本論では、心理査定や心理面接といった専門業務、および他職種との比較を通じて、臨床心理士のアイデンティティについて論じる。

本論1:見立てとプロセスを重視する専門性

 まず、臨床心理士の専門性は「見立て(心理アセスメント)」 に顕著に表れる。

 医療モデルにおける診断が、症状をカテゴリーに当てはめ、病名を特定することを主目的とするのに対し、臨床心理士の見立ては、クライエントの症状がどのような心理的メカニズムや生育歴、環境要因から生じているのか、その「意味」や「機能」を包括的に理解しようとするプロセスである。

 例えば、不登校の児童に対して、単に「適応障害」というラベルを貼るのではなく、その背景にある家族力動、発達特性、学校環境との相互作用、そして本人の内的葛藤を、心理検査(ロールシャッハ・テストやWISCなど)や面接、行動観察を通じて多面的に理解する。この「個人の固有性(個性記述的アプローチ)」 を重視し、標準化された数値だけでなく、その人らしさや潜在的な可能性(健康な部分)も含めて理解しようとする姿勢こそが、臨床心理士のアイデンティティの核である。

本論2:「わからなさ」に留まる力(ネガティブ・ケイパビリティ)

 次に、心理面接(カウンセリング)における関わり方について述べる。

 臨床心理士は、クライエントの苦悩や葛藤に対し、安易な助言や解決策を提示することを慎む傾向にある。これは、ロジャーズの「来談者中心療法」における「クライエントは自ら成長する力を持っている」という人間観や、精神分析における「無意識の意識化」 のプロセスを尊重するためである。

 人は、すぐに答えが出ない問題や、割り切れない感情を抱えている時、強い不安を感じる。しかし、臨床心理士はそのような「曖昧さ」や「わからなさ」に耐え、クライエントと共にその場に留まり続けること(ネガティブ・ケイパビリティ)が求められる。ウィニコットが提唱した「ホールディング(抱えること)」 のように、クライエントの否定的な感情や攻撃性さえも安全に受け止め、守られた空間(治療構造)の中で、クライエントが安心して自己探索を行えるよう環境を整える。このように、即効性のある解決よりも、内的な変容と成熟のプロセスを支える「黒衣」のような存在であることが、心理職独自のアプローチであると言える。

本論3:他職種との差異と連携の中での独自性

 さらに、多職種連携の場面においても、このアイデンティティは重要となる。

 医師や教師、福祉職などは、具体的かつ現実的な解決(投薬、指導、生活支援など)を志向する役割を担うことが多い。その中で臨床心理士は、あえて「心の内面」や「関係性の質」といった、目に見えにくく成果が数値化しにくい領域に光を当てる役割を果たす。

 例えば、問題行動を繰り返す子どもに対し、周囲が「困った子」として矯正的な指導を行おうとする中で、臨床心理士は「困っている子」としてその行動の背景にある悲しみやSOSを代弁し、チームの視点を転換させることがある。このように、現実的な対応と内的な理解の橋渡しを行うこと、あるいはシステム全体の調整役となることも、臨床心理士の専門性の発揮である。

結論:まとめ

 以上のことから、臨床心理士のアイデンティティとは、科学的根拠に基づいた知識・技術を持ちつつも、人間の心の「不可解さ」や「個別性」を深く尊重し、クライエントとの関係性を通じてその変容に寄り添い続ける専門家であると定義できる。

 このアイデンティティは固定されたものではなく、日々の臨床実践、スーパーヴィジョン、教育分析 といった研鑽を通じて、生涯にわたり問い直し、深めていくべきものである。私は、この専門職としての誇りと責任を持ち、クライエント一人ひとりの「生きる物語」に真摯に向き合い続ける臨床家でありたいと考える。


おわりに:書いた分だけ力がつく

 いかがでしたでしょうか。 ご自身の答案と模範解答を見比べて、「キーワードが抜けていた」「結論が後回しになっていた」などの発見があれば、それがそのまま「伸びしろ」になります。

 最初から完璧に書ける人はいません。この採点基準を意識しながら、「書く→見直す」のサイクルをあと数回繰り返せば、本番では迷わずペンを動かせるようになります。 残された時間を大切に、合格へのラストスパートを駆け抜けましょう!ココロアップアカデミーは皆さんを応援しています。


心理系(臨床心理学)大学院受験予備校 KoKoRo UP Academy(ココロアップアカデミー)は、オンライン(通信)予備校の強みを活かし、志望校にあったベーシック講座・心理学専科講座を揃えています。随時入学可能で、すぐに講座の受講ができます。

また、無料相談を随時受け付けており、定期的に心理フェスタを行っています。大学院受験に関する情報をお伝えしています。
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