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心理系大学院での学びと交流 〜多様な世代が交わる楽しさと充実感〜

Blog心理系大学院での学びと交流 〜多様な世代が交わる楽しさと充実感〜

2025/2/18

心理系大学院での学びと交流 〜多様な世代が交わる楽しさと充実感〜

「社会人からの挑戦」の第5回目です。これまでの連載では、どちらかと言うと 「大学院に合格するためには…」にフォーカスを当てていたので、やや重たい内容が続いていました。しかし、大学院合格はゴールではなく、新たなステージの始まりです。

そこで今回は、「合格した後に待っている楽しさや充実感」に焦点を当ててみました。心理学を学ぶワクワク感、世代を超えた交流、実習での刺激的な体験…。「大学院生活って、意外と楽しそう!」 と思ってもらえたら嬉しいです。


 1. 大学院での新たな学びのワクワク感

知的好奇心が解放される瞬間

「砂漠の砂が水を吸い込むような感覚」とはまさにこのことでした。大学受験のころは、勉強といえば暗記。冷めた無機質な対象として様々な理論や用語を無理やり飲み込むかスルーしてきた感じでしたが、数年の時を経て改めて教室に戻った今、目や耳にするすべてが、血肉となって入ってくる感覚があります。

例えば、これまで様々な人と出会い、試行錯誤しながら身につけてきた対話や対人関係を築く為のスキル。それらが心理学の理論によって裏付けられると、「なるほど、こういうことだったのか!」と面白いほど腑に落ちる瞬間が何度もありました。自分が苦労して実践的に学んできたことが、学問的な枠組みの中で再整理され、より深く立体的に理解できるようになるのは、ワクワクとしか言いようのない知的感動に満ちた体験でした。

また一方では、例えば「発達障害」に関する臨床知識を実践的に学んだときは、「あの時、あの人に、もっと適切な関わりができたかもしれない」と、後悔しながら過去を振り返ることもありました。年齢を重ねていくうちに、人間というものが何となく分かった気になっていた。臨床心理学を学ぶことは、そうした自然にできあがった自分の思い込みに気づくことでもあったのです。社会人としての経験があることで、学びの一つひとつがこれまでの経験と結びつき、単なる知識の習得ではなく、自分の行動や考え方を振り返る良い機会にもなるのです。

好きこそものの上手なれ

社会人になってからの学びの面白さは、知識が実生活とつながることにもあります。

例えば、当時の私の一人息子は幼稚園の年少クラスでした。発達心理学を学んでいた私は、日常の中でその理論をリアルに感じる場面に何度も遭遇しました。

「さて、前操作期くんとのアニミズムの時間だな…」と心の中で呟きながら、寝就前の子どもに即興で演じてあげる、ぬいぐるみとの対話劇。目を輝かせながら本気で反応している姿を見て、「ああ、まさにピアジェの前操作期だ!」と実感し、理論と実生活がつながる感覚にワクワクしたことを思い出します。

大学院での学びは、「知識を得る」だけでなく、私にとっては「日常の景色を変える体験」でもあったのです。社会人としての経験があることで、こうした「学びの再発見」がより面白く感じられたのだと思います。

2.同級生たちとの交流と刺激 

「異文化体験」としての大学院生活

私にとっての大学院生活は、30歳近く年下の同級生たちと学ぶ日々でした。

入学試験の頃に遡れば、試験会場の入り口前にいた受験生たちが、これから受験する私を試験監督とかってに思い込み、一斉にお辞儀をしてくるということがありました。大学キャンパス内の売店では、在庫を尋ねた際、店員さんが本部に電話しながら「ご父兄からの問い合わせなんですが…」と話しているのが聞こえ、思わず吹き出しそうにもなりました。

最初は「なんとも言えない場違い感」を感じましたが、次第にそれを「異文化的体験」として楽しむ変な余裕が生まれてきました。年齢の違いをネガティブに捉えるのではなく、むしろ新鮮な刺激として受け止めることで、大学院生活がより豊かなものになっていったことが楽しい思い出となって残っています。

 

3. 実習でのリアルな体験

社会人だからこそ感じるプレッシャーと強み

修士課程も1年目の後半になり、相談室での実習がスタートしました。初めてのクライアントとの対面。希死念慮を抱えた青年のケースに向き合うことになり、これまでの人生経験がどう活かせるのだろうか漠然とした不安を感じていました。

そして、ケース開始前日の指導教授との打ち合わせで、突然に涙が溢れだし、どうしても止まらなくなりました。自分の無力を心底から感じさせられたのだと思います。これまでの会社人生で、どんな修羅場でも泣いたことなど一度もなかったのですが。

しかし、その葛藤の先に得られるものがあります。社会人としての経験が必ずしも「武器」にはならないと知ったとき、本当の意味での学びが始まりました。まだ何も知らないんだという自覚。自分の未熟さを認めた瞬間から、少しずつ素直な心で心理臨床の世界に溶け込んでいく感覚を得ることができたと思っています。

こうして、学び続けることの大切さを改めて実感し、数多の失敗を笑いに変えながら、少しずつでも日々の成長を感じられるようになっていったのです。

 

4. まとめ:不安よりも楽しみを!

大学院生活は、決して不安ばかりではありません。確かに、学びの厳しさやプレッシャーを感じることもありますが、それ以上に得られるものが多く、社会人だからこそ楽しめる要素がたくさんあります。

「心理系大学院に入るのがゴールではない。その先には、もっと面白い世界が待っています。」

「どんな環境も、楽しもうと思えば楽しめます!」

「心理職を目指す旅の次のステージへ、ワクワクしながら進みましょう!」

大学院進学を考えている皆さんが、少しでも「楽しみだな」と思えるきっかけになれば幸いです。

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【この記事を書いた人】
 木村 崇志  ココロアップアカデミー講師  臨床心理士・公認心理師

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