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社会人受験生がモチベーションを維持するために

Blog社会人受験生がモチベーションを維持するために

2024/10/4

社会人受験生がモチベーションを維持するために

社会人にとって、臨床心理士や公認心理師になるために心理系大学院を受験するという挑戦は大きな決断です。日常生活や仕事との両立という課題を抱えながら、初めて学ぶ臨床心理学や心理英語などの学習、さらにはほとんど見当もつかない研究計画書の作成といった、精神的な負荷の少なくない準備に取り組む中で、モチベーションを如何に維持するかは、多くの受験生にとっての共通の悩みです。

モチベーションが低下すると、計画した学習が進まず、不安や焦りが募ることも少なくありません。こうした時、モチベーションを維持し、自分のペースで前進するためには、心理学的知見に基づいたアプローチが有効です。今回は、近年の心理学理論を参照しながら、社会人受験生がモチベーションを維持する方法について考えてみました。


自己決定理論とモチベーション維持

エドワード・デシとリチャード・ライアンによって提唱された自己決定理論(Self-Determination Theory, SDT)では、モチベーションは「自律性」「有能感」「関係性」という3つの基本的欲求によって支えられるとされています。これらの要素が満たされることで、モチベーションは長期的に維持され、さらに高まる傾向があります。

たとえば、学習計画を自分で決定できる「自律性」は、社会人にとって特に重要です。仕事や家庭のスケジュールに合わせて柔軟に学習できる環境があることで、自分のペースで進める自律性が確保されます。また、「有能感」を感じるためには、学習や準備作業の進展を実感することが必要です。進捗を確認できるツールやフィードバックがあれば、モチベーションの維持に繋がります。さらに、他者との「関係性」が支えとなる場合もあります。もし信頼できる塾や予備校の講師だったり、先輩や仲間だったりが、こうした「自律性」「有能感」「関係性」を満たす形でサポートしてくれる環境があれば、安心感を持ちながら学習を進めることができますね。

目標設定理論と小さな成功体験

エドウィン・ロックとゲイリー・レイサムの目標設定理論(Goal-Setting Theory)は、モチベーションを高めるために有効です。具体的で挑戦的、かつ現実的な目標を設定したうえで、それに対する達成感を得ることは、非常にモチベーションアップの効果が高いとされています。一方で、社会人受験生は、仕事や家事などで限られた時間の中で勉強を進めるため、あまりに大きな目標を立てると、逆にプレッシャーや落胆の原因となってしまうことがあります。

そのため、例えば「平日は、毎朝と夜にそれぞれ1時間の勉強時間を確保する」といった現実的で確実な目標を立て、それを達成するたびに着実に進んでいることを感じることが重要です。こうした小さな成功体験の積み重ねが、モチベーションを支える強力な手段となります。さらに、もしその進捗を確認できるフィードバックシステムがあると、安心して次のステップに進むことができるでしょう。

成長マインドセットと困難の乗り越え

キャロル・ドゥエックによって提唱された、成長マインドセット(Growth Mindset)は、困難に直面したときに特に有効です。社会人受験生は、長期間学業から離れていたことや、仕事や家事との両立に苦しむことがあるため、失敗や停滞に対して過剰に敏感になることがあります。しかし、成長マインドセットを持つことで、「困難は成長の一部」という視点を持ち続けることができます。

たとえば、過去問に挑戦して思うような手応えがなくてもショックとは思わず、それを「自分の弱点を知るチャンス」「勉強するべきポイントが明らかになった」と捉えることで、前向きな姿勢を維持できます。こうした思考を育てるためには、時には信頼できるサポートを受けながら進むことも大切です。身近に成長マインドセットをサポートしてくれる専門家や環境があれば、安心感を持って学びを続けることができるでしょう。

フィードバックと自己効力感の向上

自己効力感(Self-Efficacy)とは、自分には目標を達成する能力があるという感覚です。自己効力感が高いと、目標に向かう過程で困難に直面しても、その困難を乗り越える意欲が湧いてきます。これを高めるために有効なのが、定期的なフィードバックです。自分が進んでいる道が間違っていないことの確認と、学習成果のフィードバックがタイムリーに得られることで、自然と「自分にはできそうだ…」という感覚が強まります。

社会人受験生にとって、独学で自己効力感を高めるのは難しい場合もありますが、信頼できるサポートシステムがあると、定期的なフィードバックを通じてその感覚を育むことが可能です。そうしたサポートを提供してくれる環境があれば、安心して受験対策を進めることができるでしょう。

結論

社会人受験生が心理系大学院の受験をクリアし、臨床心理士・公認心理師への挑戦を成功させるためには、限られた時間の中で効果的な準備を進めることが重要で、それは即ち、いかに停滞した生産性の低い時間を減らすかということになります。自己決定理論や目標設定理論、成長マインドセットといった心理学の知見を活用して、自身のモチベーションをアップし、生産性を高く維持するということを是非参考にしてみてください。また、経験の豊かな専門家や指導者であれば、こうした理論に基づいた学習の進め方をサポートしてくれることでしょう。モチベーションを持続しながら、確実に次のステップへ進むために、ぜひ適切なサポートを探してみてください。

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【この記事を書いた人】
 木村 崇志  ココロアップアカデミー講師  臨床心理士・公認心理師

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