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社会人・他職種からの心理士への挑戦 ~そのリスクと意義~

Blog社会人・他職種からの心理士への挑戦 ~そのリスクと意義~

2024/9/29

社会人・他職種からの心理士への挑戦 ~そのリスクと意義~

本ブログでは、金融業界に25年間勤めた後に、心理系大学院を受験し、心理職へ転身した当予備校講師が、これまでの予備校での指導経験も踏まえて、心理系の大学院を受験し、心理職を目指す社会人の方に向けて、様々なヒントや応援のメッセージを語ります。もちろん、現役大学生の方にとっても参考になる内容ですので、興味があれば是非お読みください。


社会人として既に確立されたキャリアを持ちながら、心理職を目指すことには多くの意義があります。社会で培った様々な経験は、臨床心理士や公認心理師としての役割に新たな視点をもたらすでしょう。しかし、その道を選ぶ過程では、多くのリスクや不安に直面することも避けられません。

まず、社会人としての経験は、心理職としての臨床現場での柔軟性や対応力に役立ちます。異なる業界や職種などで培ったスキルや視点は、臨床現場でクライエント、同僚、その他の関係者が直面するさまざまな問題に対して、あなたが共に働くチームと一体になって、多様な視点からのアプローチをする力を育むことに繋がるのです。他の職場と同様に、心理臨床の現場においても、特定の問題に対して固定観念に縛られない視野を持ち、柔軟に対応することが求められます。社会人として様々な経験をしていることで、こうした柔軟な対応が可能となり、現実的かつ実践的な支援が提供できるでしょう。

次に、心理職に挑戦するという決断そのものが、自己一致を深めるプロセスでもあります。自分自身と向き合い、自分の本心や価値観、能力を素直に評価することは、将来において心理士として成長することにも繋がります。このプロセスでは、家族や大切な他者との関係にどのような影響を与えるのかを真剣に考え、何を優先し、何を犠牲にするのかを深く見つめ直すことになります。こうして得られる自己理解は、単に個人としての成長に留まらず、心理士としての自己一致を育む基盤ともなります。この決断の過程が、クライエントと向き合う際にも、誠実で一貫した姿勢を築く助けとなるでしょう。

また、社会人は、転職、結婚、育児、介護などのライフステージの変化を経験していることが多く、これにより心理的支援が持つ重要性を実感することができます。こうした経験は、社会的な文脈における心理支援の意味を理解し、心理的なサポートが必要な場面に対する感覚を高めることにも繋がっていると言えるでしょう。

一方で、これまでの仕事を辞めて、新たに心理職に挑戦することには多くのリスクも伴います。経済的な負担や学業と生活の両立といった現実的な課題に加え、「年齢的に遅すぎるのではないか?」といった不安もつきまといます。しかし、これらのリスクを乗り越えることで、社会人として歩んだ経験(それは、一見遠回りだったように見えるかもしれません)が、心理職において強力な武器となることを忘れないで欲しいと思います。

インタビュー記事『50歳、知識ゼロからの挑戦』では、金融業界を退職し、臨床心理学を学ぶために大学院を受験し、心理職へと転身した過程が描かれています。こうした社会人経験者がキャリアを転換する際に直面する不安や葛藤は多くの方が共感するところですが、その過程で自己理解を深めた結果、より高い自己一致の感覚を持って、現在は心理職としての道を歩んでいるのです。

最終的に、リスクを取るかどうかは個々人の決断であり、安全で確実な道を歩めるという保証はありません。しかし、そのプロセスで得られる成長や自己理解は、臨床心理士や公認心理師となった先の未来に大きくプラスの影響を与えることでしょう。挑戦を恐れず、自分と向き合うことで、得られるものは無限大です。

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【この記事を書いた人】
 木村 崇志  ココロアップアカデミー講師  臨床心理士・公認心理師

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