2025/8/28
心理学専門試験対策〜学習心理学〜
【学習心理学】犬の実験から自己効力感まで!行動と学びのメカニズムを探る
「どうして褒められると、また頑張ろうと思えるんだろう?」
「小さい頃に怖い思いをすると、大人になってもその対象が苦手になるのはなぜ?」
日常の中でふと感じるこんな疑問に答えてくれるのが、学習心理学です。
学習心理学は、人や動物が経験を通じて行動を変えていくメカニズムを明らかにする学問。教育実践や臨床現場に直結する理論が多いため、心理学大学院の入試でも頻出です。
この記事では、古典的条件づけ・オペラント条件づけ・観察学習を中心に、学習心理学の代表的な理論とキーワードを解説します。
学習とは?生得的行動と獲得的行動
動物や人間の行動は、大きく2種類に分けられます。
生得的行動:生まれつき備わっている行動。例:瞳孔反射や屈曲反射。
獲得的行動:経験や訓練によって身につける行動。例:言語の習得、自転車の運転。
学習心理学の主な対象は、この獲得的行動です。
古典的条件づけ ― 「パブロフの犬」
ロシアの生理学者パブロフは、犬にベルの音とエサを同時に提示する実験を行いました。
エサ(無条件刺激) → 唾液分泌(無条件反応)
ベル(中性刺激)は最初は反応を起こさない
ベル+エサを繰り返すと…
ベル(条件刺激) → 唾液(条件反応)が生じるようになる
これが古典的条件づけです。
重要なキーワード
般化:似た刺激にも反応(例:ある犬に噛まれて犬全般が怖くなる)
分化:特定の刺激だけに反応(例:特定のチャイム音にだけ反応)
消去:条件刺激を提示しても強化しなければ反応は減る
→ 試験ポイント:「般化と分化の違い」「消去の意味」
オペラント条件づけ ― 行動の結果が次を決める
ソーンダイクは猫を「問題箱」に入れ、偶然ひもを引いて脱出する実験を行いました。成功体験が繰り返されるうちに、猫は素早く脱出できるようになりました。これを効果の法則といいます。
その後、スキナーは「スキナー箱」でラットがレバーを押すとエサが出る仕組みを作り、オペラント条件づけを体系化しました。
三項随伴性
弁別刺激(どの状況で) → オペラント反応(何をしたら) → 反応結果(どうなったか)
例:「母親の前で → お手伝いをしたら → 褒められた」
結果の種類(反応の4分類)
正の強化:ご褒美で行動が増える
負の強化:嫌なことがなくなって行動が増える
正の罰:叱責で行動が減る
負の罰:快刺激を取り上げて行動が減る
→ 試験ポイント:「負の強化」と「罰」の混同に注意。
強化スケジュール
連続強化:行動習得は早いが消えやすい
部分強化:習得は遅いが消えにくい(ギャンブルに例えられる)
認知を重視した学習理論
社会的学習理論(バンデューラ)
人は他者の行動を観察して学ぶことができます。これを観察学習(モデリング)といいます。
成立に必要な4過程:
注意
保持
運動再生
動機づけ
さらに、自己効力感(セルフ・エフィカシー)が高いほど、観察した行動を実際に試みやすくなります。
洞察学習(ケーラー)
チンパンジーが箱を積んでバナナを取る実験 → 「ひらめき」による学習
潜在学習(トールマン)
報酬がなくても迷路の「認知地図」を形成している
学習性無力感(セリグマン)
回避不能のショック → 無力感 → うつ病モデルとしても研究
その他の重要概念
刷り込み(インプリンティング):ローレンツ、臨界期・敏感期
忘却曲線(エビングハウス):分散学習の有効性
知識の分類:宣言的知識(事実)/手続き的知識(方法)
動機づけ
外発的(報酬・罰)
内発的(好奇心・達成感)
アンダーマイニング効果:外的報酬で内発的動機づけが低下
教育への応用
ピグマリオン効果:教師の期待が成績を高める
ゴーレム効果:逆に期待しないと成績低下
思考の分類(ギルフォード)
収束的思考:唯一解を導く
拡散的思考:創造的に多様な解答を生む
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学習心理学:試験で覚えるべき20ワード
用語 | 説明 | 試験ポイント |
|---|---|---|
古典的条件づけ | 中性刺激が無条件刺激と結びつき、条件反応を引き起こすようになる学習。パブロフが発見。 | 「般化・分化・消去」の理解が必須。 |
般化 | 条件刺激に似た刺激にも同じ反応が生じる。 | 恐怖条件づけの例とセットで覚える。 |
分化 | 類似刺激の中で特定刺激にのみ反応する。 | 般化と対で問われやすい。 |
消去 | 条件刺激のみを提示すると反応が弱まる。 | 古典的条件づけの仕組みを理解する鍵。 |
試行錯誤学習 | 猫の問題箱実験。偶然の成功が繰り返されやすくなる。 | ソーンダイクを答えられるように。 |
効果の法則 | 満足な結果をもたらす行動は繰り返されやすい。 | オペラント条件づけの基礎。 |
オペラント条件づけ | 行動の結果がその後の行動頻度を変える学習。スキナーが体系化。 | 三項随伴性と強化・罰の違いが頻出。 |
三項随伴性 | 弁別刺激→オペラント反応→反応結果。 | 具体例(母の前でお手伝い→褒められる)で覚える。 |
正の強化 | ご褒美など快刺激を与え、行動を増やす。 | ご褒美と混同せず、「頻度を増やす」点が重要。 |
負の強化 | 嫌悪刺激を取り除いて行動を増やす。 | 罰との違いを説明できること。 |
正の罰 | 嫌悪刺激を与えて行動を減らす。 | 「弱化」と呼ばれる場合もある。 |
負の罰 | 快刺激を奪って行動を減らす。 | 門限違反→スマホ没収などの例で理解。 |
強化スケジュール | 連続強化と部分強化。部分強化は消去抵抗が高い。 | ギャンブル例と結びつけると覚えやすい。 |
シェイピング | 複雑な行動を段階的に形成する技法。 | 動物訓練の例でよく出る。 |
観察学習(モデリング) | 他者の行動を見て学ぶ。バンデューラ。 | 「4過程」と「自己効力感」とセットで。 |
自己効力感 | 自分ならできるという期待感。行動遂行に影響。 | 観察学習・動機づけと結びつけて説明可能に。 |
洞察学習 | ケーラー。試行錯誤でなく「ひらめき」による学習。 | チンパンジーの箱積み実験を思い出す。 |
潜在学習 | トールマン。報酬がなくても認知地図を形成。 | 「学習は行動に表れない場合がある」と説明。 |
学習性無力感 | セリグマン。回避不能の経験で無力感を学習。 | うつ病のモデルと関連づけて覚える。 |
インプリンティング(刷り込み) | ローレンツ。ヒナが孵化直後に対象を親と認識。 | 臨界期・敏感期の違いも押さえる。 |
最後に
学習心理学は、心理系大学院入試で最も出題されやすい分野のひとつです。
古典的条件づけ、オペラント条件づけ、観察学習といった基本理論はもちろん、自己効力感や学習性無力感など臨床や教育に応用される概念も、頻出テーマとして押さえておく必要があります。
「誰の理論か」「キーワードは何か」「典型的な実験や事例は何か」——この3点を明確に答えられるように整理しておくことが、合格答案につながります。
ここで学んだ内容を繰り返し復習し、必ず自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。試験本番で自信を持って解答できる力になります。
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