心理系大学院を目指す方の中には、「英語が苦手…」と感じている人も少なくありません。特に英語の試験に対して苦手意識を持っている方は、対策をどこから始めればいいのか分からず、不安に感じることも多いでしょう。
そうした中では、TOEICはある程度の時間をかけて適切な対策を取れば着実にスコアを伸ばすことができる試験だといえるでしょう。近年、一部の心理系大学院では、英語試験の代替として TOEICスコアを活用するケースが増えており、受験生にとってTOEIC対策が無視できないものとなりつつあります。本記事では、TOEICの基礎知識から効果的な勉強法、スコアアップのコツまでを解説します。
1. 近年のTOEICスコア活用の傾向
1-1. 理工系・経済系ではTOEICが主流に
TOEICスコアを入試の英語試験として採用する大学院は、特に理工系、情報系、経済・経営系で増 加傾向にあります。これらの分野では実務での英語使用が求められるケースが多く、国際的なビジ ネス環境で即戦力となる英語力を評価するためにTOEICのスコアが活用されるようになってきたためと考えられます。
1-2. 心理系大学院ではTOEIC採用が拡大中
これまで心理系大学院では独自の英語試験を実施することが一般的でした。しかし、近年はTOEICスコアの活用も徐々にではありますが、増える傾向にあります。これは、単にアウトソーシングの流れに乗るということではなく、公認心理師資格の創設などを背景に、心理職の活躍範囲の広がりが期待される中で、専門的な論文の読解力に偏らず、より広範な英語文献の読解力やコミュニケーション力などが評価されるようになったことも背景にあるかと考えられます。
TOEICを採用している心理系大学院の例(※昨年度までの例)
早稲田大学大学院 人間科学研究科:L&R(Listening & Reading)のスコアに加え、S&W(Speaking & Writing)も含めた合成スコア方式を採用。一定の水準を超えたスコアを提出すれば、英語試験を免除。
九州大学大学院 人間環境学府:L&Rのスコアを英語試験成績として認定。
神戸大学大学院 人間発達環境学研究科:L&Rのスコアが英語試験の代替として認められている。
こうした流れは今後も続く可能性があり、TOEICスコアを持っていることが受験生にとって有利に働くケースが増えていくかもしれません。
2. TOEICの基礎知識
2-1.TOEICの種類と特徴
これから皆さんが受験し大学院に提出するのは(特別の指示がない限り)、「TOEIC公開テスト」です。他には、団体で受験する「TOEIC IP テスト」や、英語初心者向けに作られた 「TOEIC BRIDGE テスト」があります。この記事内でTOEICと記述しているものは、すべて「TOEIC公開テスト」のことを指していると認識していてください。
さて、TOEICには大きく分けて 2 種類の試験があります。
L&R (Listening & Reading):英語のリスニングとリーディングのスキルを測る試験で、点数範囲は 10〜990 点。一般的に大学院入試で採用されるのはこの L&R です。 S&W(Speaking & Writing):スピーキングとライティングのスキルを測る試験で、点数範囲は 0〜 400 点。S&W のスコアを加味する大学院は少数派ですが、早稲田大学院では S&W も含めた合成スコアが採用されています。
2-2. 必要なスコアの目安
心理系大学院で求められるTOEICスコアの目安は、要求が低めのところで600 点以上、高い水準が求められるところでは、800点以上が必要とされるようです。各大学院によって結構な差がありますので、志望する大学院の入試要項や説明会などでしっかりと情報を得ておくことが望まれます。
〔L&R Test〕 700点以上:このスコアを取得していれば、英語文献の読解にある程度対応できるレベル。 800点以上:学術論文や専門的な内容の英語を読む際にスムーズに理解できるレベル。
〔S&W Test〕 350点以上:スピーキングやライティングを求められる場面で、一定の流暢さを持って対応できる レベル。
コラム『TOEICの基礎知識まとめ』
TOEICの公開テストには2種類の試験がある!
試験名
L&R(Lisning&Reading)
S&R(Speaking&Writing)
概要
リスニングとリーディングのスキルを測る
スピーキングとライティングのスキルを測る
点数範囲
10〜990点
0〜400点
問題数
リスニング100問
リーディング100問スピーキング11問
ライティング8問試験時間
約2時間 ※
約80分
※L&R Test:リスニング45分、リーティング75分の合計120分
●どれくらい点数が必要?
・L&R:700点~800点以上:心理系大学院入試で求められる概ねの目安。
・S&W:350点数以上:一部の大学院(例:早稲田大学院)では合成スコアを採用。
●試験の開催頻度
・L&R:ほぼ毎月実施。
・S&W :回数が限られるため、計画的な受験が必要!
3.TOEICの勉強法
3-1. 公式教材を活用する
TOEICには公式問題集が充実しており、特に直前対策として公式模試を解くのが効果的です。公式 問題集は試験の出題傾向に沿って作成されており、実際の試験と同じ形式の問題に触れることができます。少しでも高得点を目指すには、形式への慣れがとても重要になります。
3-2. 市販教材の活用
TOEIC対策には、さまざまな市販教材が出版されていて、特に単語力強化には効果的です。自分にとっての使いやすさやレベルに合った形で活用できます。中でも巷での評価の高い代表的なものを以下に紹介します。
「出る単特急金のフレーズ」(通称「金フレ」):TOEIC頻出単語を網羅した単語帳で、初心者から900点超えの上級者まで、幅広いレベルの受験者に活用されています。
「キクタン TOEIC シリーズ」:学習者の必要とするレベルに合わせて、500、600、800、990 という 4 冊が出版されています。「聞いて覚える」がコンセプトの単語学習教材です。
3-3. スキミングとスキャニングを意識する
英語のリーディング試験では、すべての単語を一字一句読んでいたのでは時間が足りません。そこで押さえておきたいテクニックが「スキミング」と「スキャニング」です。
スキミング(Skimming):文章全体の概要を素早くつかむための読み方です。見出しや最初の数行を重点的に読み、大まかな内容を把握します。
スキャニング(Scanning):特定の情報を素早く探すための読み方です。たとえば、問題で問われている数字やキーワードをピックアップし、その部分だけを集中的に読むことで、時間を節約できま す。
この2つのテクニックを練習の段階から意識しておくことで、特に高得点ゾーンで勝負する人にとっては、リーディングセクションを効率的に攻略することができます。
4. TOEIC 対策の結論
TOEICは、正しい勉強法を続ければ確実にスコアが上がります! 試験直前になって焦るのではなく、計画的に対策を始めることが大切です。
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